なぜ子どもは寝る前にテンションMAXになるのか? ── 年子パパが科学で読み解く「夜の大運動会」の正体 ──
仕事を終えて帰宅すると、
玄関から “ドタドタ!” と軽快な足音。
2歳の長女が勢いよく走ってきて、
「パパーー!!」と全力で抱きついてくれる。
その瞬間、1歳の次女も負けじと突進。
僕の脚はいつも通り“左右別チームの引っ張り合い”になり、
1日の疲れが一瞬で吹き飛ぶ。
──のはここまで。
問題は、このあと。
夕飯を食べ、お風呂に入り、歯磨きをすませ、
「さぁ、寝るだけ!」 のタイミングになった途端…
娘たちのテンションが爆上がりする。
しかも “毎晩”。
・布団の上でジャンプ大会
・廊下に全力ダッシュ
・謎の奇声
・パパの肩に乗りたがる
・1歳と2歳でツボに入って笑い続ける
・急に「アンパンマンごっこ」を始める
僕 「え? さっきまで眠そうだったよね?」
娘たち 「パパ、!!!」(目はギラギラ)
奥さん 「やっとくん、がんばってー(がんばれのトーンではない)」
パパの脳内 「寝るタイミングに、なぜテンションが上がるんだ?」
そして思う。
これは我が家だけじゃないよね?
全国のパパはどうしてるんだ…?
でも実は、
この “寝る前テンションMAX問題” には、
科学的な理由がしっかりあるんです。
しかもそれは、
「困った行動」ではなく
“発達が順調である証拠” でもある。
今日はその科学を、
パパ向けに“やっと式”で分かりやすく解説します。
科学①「反動性興奮(リバウンドエキサイト)」が原因
まず最初に説明したいのが、
子どもが寝る前にテンションMAXになる主犯。
それが…
🧠 反動性興奮(Rebound Excitation)
簡単に言うと、
✔ 日中に溜まった刺激
✔ 我慢していた感情
✔ 発散できなかったエネルギー
これらが“寝る直前に一気に噴き出す現象”。
大人でもありますよね?
・会社で一日中気を張ったあと、家で気が抜けてハイテンション
・旅行前夜だけ寝れない
・楽しみなことがあると寝つけない
子どもはこの反動が 大人の5倍〜10倍レベル で出ます。
なぜかというと…
子どもの脳は“興奮ブレーキ”が未熟だから。
抑制(我慢)の機能がまだ弱く、
楽しい・うれしい・興奮した を
そのまま表に出してしまう。
だから、
昼間に溜まったモヤモヤ → 寝る前に爆発
これこそ、パパママが毎晩目撃している
「夜の大運動会」の正体なんです。
科学② 自律神経の切り替えがうまくいかない
次は自律神経の話。
大人の場合、
寝る前=副交感神経(リラックス)が自然に優位になります。
でも子どもの場合は違う。
✔ 切り替えがまだ上手にできない
✔ 興奮したまま次の行動に移る
✔ 刺激からの回復が遅い
つまり
「寝る準備モード」に脳が入りきらないまま、
布団へGOする。
布団=休息の場所
ではなく
布団=遊び場(ジャンプしていい場所)
になっていることも。
さらに、やっと家のように
-
パパが仕事から帰宅
-
家族のテンションが上がる
-
子どもの脳が「今が一番楽しい!」状態
これらが重なると、
興奮スイッチは MAXレベル に。
科学③ メラトニン(睡眠ホルモン)のリズムが未発達
寝る前のテンション爆上がりは、
ホルモンの観点でも説明できます。
睡眠ホルモン「メラトニン」は
暗さ+生活リズムで分泌されるのですが、
● 1〜3歳は分泌リズムがまだ不安定
● 日中の光の浴び方に左右される
● 寝る直前まで活動していると分泌が遅れる
つまり、
“身体は眠い”のに“脳が寝る準備できてない”
というチグハグ状態になる。
このギャップが興奮状態を生みやすい。
対策 — やっと家で効果を実感した「寝る前の科学的ルーティン」
ここからは、
科学 × 実体験 × パパ視点で
めちゃくちゃ役立つ“実践的な対策”を書きます。
対策① 寝る前30分の「ゆるゆるタイム」を作る
これ、効果絶大です。
寝る前にいきなり布団へ入ると
脳が「急ブレーキ」を踏むことになり、
逆に興奮します。
そこで…
寝る前30分は「ゆるい遊び」だけ
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積み木
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お絵描き
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パズル
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ぬいぐるみ並べ
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絵本のじっくり読み
興奮系の遊び(走る・飛ぶ・追いかけっこ)は封印。
子どもは遊びながら
自然と副交感神経モードに移行します。
対策② 部屋の明るさを1段階落とす
メラトニンの分泌を助ける最強技。
やることは簡単。
寝る30〜60分前に部屋を「暗め」にするだけ
これだけで
“寝る準備スイッチ”がじわっと入る。
逆に
明るい部屋+テレビ+スマホ
は完全に興奮スイッチを入れます。
対策③ パパ抱っこでリセット
寝る前テンションがMAXの時ほど、
パパの“落ち着かせ力”が実は最強。
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肩の上でぎゅっと抱きしめる
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ゆっくり左右に揺らす
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背中をなでる
すると、
→ 心拍が落ち着く
→ 副交感神経が優位になる
→ 体温が少し下がり、眠気が出る
科学的にも、
抱っこは最高の睡眠導入儀式 なんです。
対策④ 寝る前の“儀式”を固定化する
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水を飲む
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明かりを落とす
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絵本1冊読む
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トントンタイム
この“同じ流れ”を繰り返すと、
子どもの脳は
「このルーティン=寝る時間」
と覚えます。
やっと家では
絵本 → 明かり暗く → トントン
のルーティンが鉄板。
これを始めてから
眠りへの移行が明らかにスムーズになりました。
対策⑤ パパが“焦らない”のがいちばん効く
寝かしつけでパパが焦ると、
✔ 声のトーンが上がる
✔ 動きが早くなる
✔ 表情が固くなる
✔ 子どもにそのまま伝わる
これが 子どもの興奮を逆に引き上げる。
(僕は結構やってしまう)
でも、
焦らずゆっくり動くだけで
相手も自然と落ち着いてくれます。
科学的にも、
大人のリズムは子どもの自律神経に“同調”します。
まとめ
「寝る前テンションMAX」は、困った行動じゃない
→ 成長しているサイン
→ そして、ほぼ“仕組み上の現象”
これに気づいた瞬間から、
僕の寝かしつけストレスはだいぶ軽減しました。
科学を知ると、育児がラクになる。
これこそ“パパ学の醍醐味”です。



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